飲食店の人手不足は、
採用だけの問題ではありません。
宿泊・飲食の業界は、入る人の割合も辞める人の割合も、いちばん高いという結果です。
求人を出しても応募が来ない。採用してもすぐに辞めてしまう。人手不足のご相談は、ほとんどが「人が採れない」というかたちで届きます。ただ、厚生労働省の調査を産業別に見ると、宿泊業・飲食サービス業の入職率は27.8%と16の産業でいちばん高く、離職率も23.7%でやはりいちばん高いのが実際です。採用は起きていて、それに近い人数が出ていっている。このページでは、人手不足を「必要人数」「採用」「定着」の3つに分けて、どこから手をつけるとよいのかをご説明します。
- payments初回のご相談は無料
- storefront創業2006年・飲食店ひとすじ
- groups店長とアルバイトの現場から見直します
※本ページで紹介する数字は公的統計の集計値です。お店ごとの状況は立地・業態・規模によって異なります。
人のことで、こうなっていませんか
- 求人を出しても応募が来ない。来ても面接に現れないことがある
- 採用はできているのに、気づくと元の人数に戻っている
- 店長が休みの日にシフトへ入っていて、何か月も休めていない
- 新人が入るたびに教える人の手が止まり、かえって店が回らなくなる
- 時給を上げてみたが、応募が増えた実感がない
- 人が足りず営業時間を短くした。人件費は下がったが売上も落ちた
- 求人に年間いくら使っているのか、正確には把握できていない
- 辞める人に理由を聞いても、深いところまでは聞けていない
人手不足という言葉のままでは手が打てません。足りないのは人数なのか、応募なのか、続ける理由なのかを先に分けます。
「募集を増やす」から始めると、
たいてい同じところに戻ります。
人が足りないとき、いちばん先に思いつくのは募集を増やすことです。求人の掲載を増やし、時給を上げ、条件を良くする。すぐに着手できて、やった手応えも残ります。ただ、この順番で始めると採用にかかる費用だけが増えて、店の人数は元に戻るということが起こりがちです。
公的な統計を見ると、その理由が見えてきます。厚生労働省の「雇用動向調査」令和7(2025)年の結果では、宿泊業・飲食サービス業の1年間の入職者数は1,220.6千人で、これは調査対象16産業のなかで最も多い人数です。入職率も27.8%で最も高い。この業界は、採れていないわけではありません。一方で同じ1年間の離職者数は1,042.7千人。人数では「医療,福祉」1,200.2千人、「卸売業,小売業」1,120.8千人に次ぐ3番目ですが、離職率で見ると23.7%で、こちらは産業別でいちばん高いという結果です。
人が大量に入ってきて、それに近い人数が出ていく。この出入りの大きさが、飲食店の人手不足の実際の形です。ここに募集を足すと、入り口だけが広がって出口はそのままになります。採用の費用と、教える人の時間が、繰り返し同じところに使われることになります。
ですのでこのページでは、募集の話から入りません。①そもそも何人必要なのか ②応募が来ない理由はどこにあるのか ③出ていく人を減らせるところはどこか。この3つに分けて、順にご説明します。どれが効くかはお店によって違いますので、ご自身の店に当てはめながらお読みください。
※出典:「雇用動向調査」(厚生労働省)令和7(2025)年。この調査は5人以上の常用労働者を雇用する事業所から抽出した約15,000事業所が母集団です。また「宿泊業,飲食サービス業」はホテル・旅館などを含む区分で、飲食店だけを取り出した数字ではありません。傾向をつかむための手がかりとしてご覧ください。
データで見る、飲食業の人手不足の形
厚生労働省「雇用動向調査」令和7(2025)年から、産業別の入職率・離職率を入職率の高い順に抜粋しました。いずれも大分類の産業で、同じ階層の数字だけを並べています。
| 産業 | 入職率 | 離職率 | 入職超過率 |
|---|---|---|---|
| 宿泊業,飲食サービス業 | 27.8% | 23.7% | +4.1 |
| サービス業(他に分類されないもの) | 21.8% | 21.2% | +0.6 |
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 21.3% | 20.1% | +1.2 |
| 教育,学習支援業 | 15.5% | 15.1% | +0.4 |
| 医療,福祉 | 14.5% | 14.3% | +0.2 |
| 卸売業,小売業 | 12.6% | 11.9% | +0.7 |
| 建設業 | 10.4% | 8.7% | +1.7 |
| 製造業 | 9.6% | 9.8% | △0.2 |
| (参考)産業計 | 14.7% | 13.7% | +1.0 |
→ 表は横にスクロールできます。
※出典:「雇用動向調査」(厚生労働省)令和7(2025)年。16の産業のうち主なものを抜粋しています。全産業の数値は同調査をご覧ください。
※入職率・離職率は、その年の1月1日現在の常用労働者数に対する1年間の入職者数・離職者数の割合です。入職超過率は入職率から離職率を引いた値(単位はポイント)で、プラスは人数が増えたことを表します。表中の△はマイナスを表します。
※常用労働者とは、期間を定めずに雇われている人、または1か月以上の期間を定めて雇われている人をいいます。ごく短期のアルバイトは含まれません。
※本文中の倍率は、同調査の公表値をもとに当社で算出したものです。
「採れていない」のではなく、「同じだけ出ていっている」
表のいちばん上と、いちばん下の参考値を見比べてみてください。産業計の入職率が14.7%であるのに対し、宿泊業・飲食サービス業は27.8%。およそ1.9倍の人が入ってきています。ところが離職率も13.7%に対して23.7%。こちらもおよそ1.7倍です。人の出入りそのものが、産業全体の平均のおよそ1.8倍の速さで起きているということになります。
ここで見ていただきたいのが、いちばん右の入職超過率です。+4.1ポイントで、表のなかで最も大きい数字になっています。つまりこの1年間、宿泊業・飲食サービス業は働く人の数としてはむしろ増えているのです。業界全体としては人が集まっていて、それでもなお現場では足りない。この一見ちぐはぐな状態が、いまの人手不足の姿に近いのだろうと思います。
現場で何が起きているかを考えてみます。10人のお店で1年に3人が入り、3人が辞めるとします。人数は変わりません。しかし3人分の募集と面接、3人分の初期教育、3人分のシフト調整が毎年発生し続けます。教えるのは店長と、その場にいるベテランです。人数が足りているのに現場が回らないのは、教えることに時間が取られて通常の仕事の手が減っているからということが少なくありません。人手不足を人数だけで測ると、この負担は見えないままになります。
産業全体と比べると、不足感が目立つのはパート・アルバイトの層
もうひとつ、別の調査から見ておきたい数字があります。厚生労働省の「労働経済動向調査」は、事業所に「いま労働者は不足しているか、過剰か」を四半期ごとに尋ね、その差をD.I.(不足と答えた事業所の割合から、過剰と答えた事業所の割合を引いた値)として公表しています。
令和8(2026)年5月1日現在の結果では、正社員等の不足感は調査産業計で+47ポイント。これに対して宿泊業・飲食サービス業は+38ポイントで、産業計より低く出ています。建設業+59、医療・福祉+57といった産業のほうが、正社員では強い不足感を示しています。
ところがパートタイム労働者で見ると入れ替わります。調査産業計が+27ポイントであるのに対し、宿泊業・飲食サービス業は+42ポイントと産業別でいちばん高い数字です。
この2つを並べると、産業計と比べたときの位置が正社員等とパートタイムで逆になっていることが分かります。正社員等は産業計より9ポイント低く、パートタイムは15ポイント高い。社員の不足感が小さいというわけではありませんが、産業全体との差でいえば、パート・アルバイトの層のほうが際立っているという読み方ができます。なおこのD.I.は「不足している」と回答した事業所の割合をもとにした指標で、採用のしやすさを測ったものではありません。ここから先は、自店の時間帯別に必要人数を出したうえでご判断いただくのがよいと思います。
※出典:「労働経済動向調査」(厚生労働省)令和8(2026)年5月調査。この調査の対象は30人以上の常用労働者を雇用する民営事業所で、小規模な個人店は含まれていません。また同調査の「宿泊業,飲食サービス業」からはバー、キャバレー、ナイトクラブが除かれています。D.I.は事業所数の割合をもとにした指標で、不足している人数を表すものではありません。本文中の産業計との差(ポイント)は、同調査の公表値をもとに当社で算出したものです。
①まず、何人必要なのかを決める
「足りない」と言うためには、足りている状態が決まっている必要があります。募集を出す前に確かめる4つのことです。
人時売上高で、いまの人数を見る
その月の売上を、店で働いた延べ時間で割った数字が人時売上高です。仮に月商400万円で、全員の労働時間の合計が800時間なら5,000円になります。この数字が下がっているなら、売上に対して人が多いか、同じ売上に前より時間がかかっているかのどちらかです。人数ではなく時間で見るのがポイントで、社員とアルバイトが混ざっていても同じ物差しで比べられます。
- まず3か月分を並べて、上がっているのか下がっているのかを見る
- 季節で動く業態は、前年の同じ月と比べる
忙しい時間と、そうでない時間を分けて数える
1日を通して足りないお店は多くありません。ランチのピーク90分だけ足りない、金曜の夜だけ足りない、という形がほとんどです。ところが募集は「週3日・17時〜22時」のようにまとめた条件で出してしまうため、いちばん困っている時間に人が入らないことが起こります。時間帯別に必要人数を書き出すと、募集すべき条件が変わります。
- 30分単位で、客数と人数を1週間分だけ記録してみる
- 山の時間と谷の時間で、必要人数が何人違うかを出す
営業中でなければできない仕事かを分ける
仕込み、発注、清掃、納品の受け取り。これらは営業中に人手を奪っている一方で、時間をずらせるものが混ざっていることがあります。ピークに3人必要だと思っていた作業が、時間をずらすと2人で足りることもあります。人を増やす前に、作業の置き場所を変えられないかを見ます。
- ピーク中に発生している作業を書き出す
- 前日・開店前・アイドルタイムに移せるものを分ける
必要人数が決まると、募集の中身が決まる
ここまでを整理すると、「誰でもいいから1人」ではなく、「土日の11時〜15時に入れる人が2人」という形で条件が決まります。条件がはっきりしている募集は、読む側にとっても自分が当てはまるかが分かりやすくなります。人数の設計は、採用の前段の作業です。
- いちばん困っている時間から順に、必要な人数を決める
- その条件で人件費がいくらになるかを先に計算しておく
人件費が売上に対して重いかどうかは原価率と人件費率の目安で、費用そのものの見直しは飲食店のコスト削減でご説明しています。
②応募が来ないとき、どこから見るか
掲載先を増やす前に確かめたいことがあります。上から順に見ていくと、費用をかけずに直せるところが見つかることがあります。
近隣の募集と並べて見る
応募する人は、自店の求人だけを見て決めているわけではありません。同じ地域・同じ時間帯の募集を10件ほど並べ、時給・通勤手当・入れる曜日の条件を書き出してみます。時給だけが低いのか、それとも条件全体で見劣りしているのかで、打ち手は変わります。時給を上げるのがいちばん分かりやすい方法ですが、人件費に直接効きますので、先に他の項目で埋められないかを見ます。
応募から初日までの日数を数える
応募をいただいてから、連絡までに何日かかっているか。面接までに何日か。初出勤までに何日か。この合計が長いお店では、他の店で先に決まってしまうことが起こります。応募が少ないのではなく、応募のあとで取りこぼしている場合があるということです。まずは自店の日数を数えてみてください。
働く時間の実際を、原稿に書く
「アットホームな職場です」ではなく、入ってから知ることになる情報を先に書くほうが、入ってからのズレは小さくなります。ピークの時間帯、覚えることの範囲、シフトの決め方、何人体制で回しているか。良いことだけを書いた原稿は応募を増やすことがありますが、入ってすぐに辞める人を増やすこともあります。
いま働いている人からの経路をつくる
紹介や、一度辞めた方の復帰は、店のことを知ったうえで来ていただけるという点で、初期教育の負担が小さく済みます。仕組みとしてお願いする形にしておくと、思い出したときに声をかけてもらえます。なお紹介にお金を出す制度をつくる場合は、金額や条件の決め方について社会保険労務士や弁護士などの専門家にご確認ください。
採用単価ではなく、定着単価で見る
1人採るのにいくらかかったか(採用単価)だけを見ると、安く採れた募集が良い募集に見えます。ただ、その人が1か月で辞めていれば、教えた時間の分だけ損失は大きくなります。かかった費用を「その後も働き続けている人数」で割り直すと、順位が変わることがあります。当社ではこれを定着単価と呼んでご説明しています。
人財のご紹介や定着支援そのものは人財 採用・定着サポートでご案内しています。
③出ていく人を、減らせるところから減らす
入り口を広げるより、出口をひとつ塞ぐほうが早いことがあります。とくに最初の1か月です。
辞める理由のすべてを店で解決できるわけではありません。進学、転居、家庭の事情。どうにもならないものは確かにあります。ただ現場を拝見していると、店側で直せる範囲の理由も少なくありません。しかもその多くが、入って最初の1か月に起きています。
最初の1か月で起きていることは、だいたい共通しています。初日に誰が教えるかが決まっていない。覚えることが一度に多すぎる。できているのかどうか、本人に分からない。忙しい時間に放っておかれた新人が、次のシフトから来なくなる。これは本人のやる気の問題ではなく、受け入れる側の準備の問題です。
ここは手を入れやすいところでもあります。最初の1か月に何を用意しておくかで、辞める人の数は変わってきます。誰が何をどこまで教えるのかが決まっているだけでも、入ったばかりの人の不安は小さくなります。具体的な進め方は、コラムのほうで手順に分けてまとめていますので、そちらをご覧ください。
シフトの決め方や労働条件の伝え方も、辞める理由に直結します。ただしこの部分は法令にかかわる範囲ですので、自店のルールを決めるときは社会保険労務士などの専門家にご確認いただくのが確実です。当社では、現場の運用として無理がないかという観点からご一緒します。
最初の1か月の受け入れ、シフトと労働条件のルール、定着を測る指標は飲食店でアルバイトが定着しない5つの原因と対策で詳しくご説明しています。
人手不足の対策が、
利益を削って終わることがあります。
時給だけを上げる。いちばん早く効きますが、既存のスタッフの時給も上げないと不公平が生まれ、結局は全体の人件費が上がります。上げるなら、上げたあとの人件費率がどうなるかを先に計算しておきます。
人を増やして、利益が消える。足りない時間に合わせて増やしたつもりが、暇な時間にも人が立っている状態になることがあります。時間帯別の必要人数を決めないまま増やすと、これが起こります。
シフトを詰めて、辞める人が増える。足りない分を残った人でまかなうと、その人たちの負担が上がります。人手不足がさらに人手不足を呼ぶ形で、いちばん抜けにくい状態です。
営業時間を短くして、売上が落ちる。手として間違いではありませんが、削る時間帯を売上ではなく「人が足りない都合」で決めると、利益の出ていた時間を削ってしまうことがあります。時間帯別の売上と利益を見てから判断します。
※どの手が向いているかはお店の状況によって異なります。改善できる金額・割合や、採用・定着の結果をお約束するものではありません。
ご相談から改善までの流れ
ご相談・現状のヒアリング
いま何人で回しているか、どの時間帯が苦しいか、直近1年で何人が入って何人が辞めたか。分かる範囲で構いません。初回のご相談は無料です。
必要人数と、出入りの整理
時間帯別の必要人数と、採用にかけている費用、この1年の出入りを数字にします。ここで「足りないのはどこか」がはっきりします。
現場の確認
実際の営業時間に伺い、ピークの回し方と新人の教わり方を拝見します。数字だけでは見えない部分がここで分かります。
ご提案とお見積り
3つのうちどこから手をつけるか、順番をつけてご提案します。お見積りをご確認いただいてからご判断ください。
実行と、続く仕組みづくり
決めた手順が店長不在の日でも回るか、新しく入った人にも引き継がれるか。現場で続くところまでをご一緒します。
人の相談をアトラクトにいただく理由
飲食店だけを見てきた
2006年の創業以来、業種を広げず飲食業界だけを見てきました。ピークタイムの回し方、仕込みの時間、シフトの組み方。前提の説明から始めずに本題に入れます。
採用と定着を切り離さない
採用だけ、研修だけ、という区切り方をしません。何人必要かを決め、その条件で募集し、入った人が続く受け入れをつくる。ひとつながりのものとして拝見します。
教える側の負担から手をつける
新人が続かない店では、たいてい教える側も限界です。新人研修・店長研修を通じて、教える手順そのものを整えます。人が増えるほど現場が楽になる形を目指します。
相談しやすい費用設定
コンサルティングが高額で相談しにくいものであれば、本当に困っているお店ほど届きません。初回のご相談は無料。費用は現状を拝見したうえで規模に応じて設定しています。
費用の考え方
初回のご相談は無料
高額になりがちなコンサルティング費用を、現状を拝見したうえで規模に応じた低価格な金額に設定しています。人のことだけをご相談いただくこともできますし、1店舗のご相談から承ります。ご提案とお見積りをご確認いただいてからご判断いただけますので、初回のご相談でご契約いただく必要はありません。しつこい営業はいたしません。
※サポート費用および税の取扱いは、お見積り時にご案内します。
※採用できる人数や定着の状況は店舗の状況により異なり、成果を保証するものではありません。
※人財紹介(有料職業紹介)はグループ会社の株式会社ウーヴルコンサルティングが行い、手数料は同社規定によります。
料金の考え方は料金についてで、費用が何で決まるのかはコンサル費用の決まり方で詳しくご説明しています。
よくいただくご質問
求人を出しても応募が来ません。掲載先を増やすべきでしょうか。
時給を上げれば人は集まりますか?
採用はできているのに、いつも人が足りない気がします。
正社員とアルバイト、どちらの採用を強化すべきでしょうか。
どのくらいで人手不足が解消しますか?
アルバイトの募集や面接を、代わりにやってもらえますか?
労働条件やシフトのルールも相談できますか?
1店舗だけでも依頼できますか?対応エリアはどこですか?
このほかのご質問はよくあるご質問にまとめています。
足りないのが人数なのか、続ける理由なのか。一緒に確かめませんか
求人にいくら使っているか分からない状態からで構いません。初回のご相談は無料です。
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